Frequently asked questions/よくいただく質問
お客様からよくいただくご質問やご相談などを内容別に下記にまとめております。ご不明な点などございましたら下記よりご確認ください。
老人ホームの見学ではどのようなことに注意しておけばよいのでしょうか?
施設見学の際に「日中の過ごし方」「介護保険外となるサービスの利用料金」「施設から退去を求められる場合」についてしっかり確認しましょう。
一般的に老人ホーム選びでは、限られた時間の中で施設を探すことが多いため、闇雲にいろいろな施設を見学する人はほとんどいません。まずはケアマネジャーや老人ホーム紹介業者などに相談したり、事前に気になる施設のホームページやパンフレットで情報を集めたりして見学にいく施設を絞っていきます。
したがって、見学をする施設は、「施設の所在地」「毎月の費用」「サービス内容」「居室の広さ」といった入居者や介護をしている家族の要望に合ったところになります。
そして、実際に見学に行かなければ確認できない「施設で働いているスタッフの様子」や「施設全体の雰囲気」も施設選びで重要なポイントです。
具体的には「見学に対応してくれる方(施設長や相談員など)があなたの質問や悩みを親身に聞いてくれるか?」「スタッフは生き生きと働いているか?」「施設内の雰囲気は明るく清潔感があるか?」ということを見学時に確認するようにしましょう。
とは言え、こうしたことは、あえて私が説明しなくても見学する家族は無意識のうちに確認しているはずです。
なぜなら、入居者や大切な親を預ける家族が「見学に対応してくれた方が他人行儀だった」「スタッフに覇気がなかった」「施設の雰囲気が暗かった」と感じた施設を選ぶことはないからです。
それに毎月の費用や居室の広さなどの基本的な条件面については、納得の上で入居を決めるため、入居後の大きな不満につながることはありません。
こうしたことから、老人ホーム見学で最も注意することとして「日中の過ごし方」「介護保険外となるサービスの利用料金」「施設から退去を求められる場合」をしっかり確認するという項目を挙げさせていただきました。
実際、施設入居後のトラブルは、入居者側と施設側の認識の違いから生じることが多いからです。
たとえば、入居時は足腰もしっかりしていた母が骨折を繰り返して一人で歩けなくなったため、トイレ介助をするたびに介助料を請求されるようになり、毎月の費用が○万円も増えてしまった。
その他にも、施設のパンフレットでは終身利用可をウリにしているにもかかわらず、入居者の認知症が進行したため、「もうこれ以上は施設で対応できない」と退去を迫られてしまった。
このようなお互いの認識の違いが入居者や介護をする家族の不満につながっていくのです。
そのため、施設を見学するときは、「日中の過ごし方」や「介護保険外となるサービスの利用料金」などについて、具体的な説明を受けるようにしましょう。
希望の老人ホームに空き部屋が無かったのですが、どれくらい待てば入居できますか?
残念ですが、確実な回答を求めることはできません。
申し込んだ老人ホームが満室で待機者(空き部屋が出るのを待っている人)がいる。このようなとき、その待機者の人数でおおよその待機期間は予想できます。
しかし、その予想が必ず的中するとは言えないのが現状です。
待機者が1人しかいないのにもかかわらず、1年以上も待たされてしまった。その一方で、待機者が10名以上いたので、「何年も待たされるだろう」と予想していたが、結果的に半年で入居することができた。
このように予想した待機期間と異なるケースはたくさんあるからです。
老人ホームの入居者が退去するきっかけとしては、「病気や認知症の症状が悪化して長期入院となってしまった」「入居者の病気の進行や加齢により身体機能が著しく低下した、もしくは施設の対応に不満を持った」、そして「入居者が人生の最期を迎えた」のいずれかにあてはまる場合が多いです。
実際、施設の対応などに不満が無ければ入居者や家族は、可能なかぎり住み慣れた施設のお世話になりたいと思っています。そして、施設の方も入居者に対して「ずっと穏やかに過ごしてほしい」と願っています。
こうしたことから、見学者から待機期間について質問された施設の担当者も「待機者は少ないので半年くらいで空き部屋は出ますよ」というようなことを気軽に言えないのです。
したがって、そう長くは待てないという状況なのであれば、空室のある他の施設を選ぶということも考えておかなければなりません。
ただし、他の施設に入居して「第一希望の施設の空き部屋が出るのを待つ」という方法を取られる方もいます。こうしたことは、入居する方の心身の状態と介護をする家族の生活状況などによって、とるべき選択肢も異なりますので、それぞれの状況に応じた対応を検討するようにしましょう。
最期までずっと看てくれる施設はありますか?
北九州市内だけでも70軒以上(2019年4月時点)あります。
老人ホームの種類の中では特別養護老人ホームや介護付有料老人ホーム、またグループホームで看取り介護を行っている施設が多いです。その他にも、最近では住宅型有料老人ホームで看取り介護を行っているという施設も増えてきました。
ただし、どの種類の老人ホームでも病院とは異なるため、積極的な治療ができないのが現状です。そのため、病気の症状などが急激に悪化した場合、急性期の医療機関に入院して治療を受けることもあります。
実際、看取りを施設で行うかどうかについては、「入居者の病状が安定していること」や「入居者や家族が積極的な治療(延命治療など)を望まれていないこと」を施設側(主治医なども含む)が家族に確認しながら決めていくことになります。
看取りを行っている施設を見分ける方法はさまざまありますが、各都道府県及び厚生労働省が運営している「介護サービス情報公表システム」で探すことも可能です。また、見学に行かれた際に施設長や相談員に「どのような状態まで施設で看てもらえるのか」について質問しながら直接確認することもできます。
老人ホームで親が虐待されないか心配です・・・。
家族が老人ホームへこまめに面会に行くことが一番の虐待予防です。
介護業界に身を置く私としては、「虐待をするような介護スタッフは1人もいません」と言いたいところです。しかし、介護施設での虐待がニュースに取り上げられていることから考えると絶対にないとは言えません。
そのため、老人ホームに親を預けようとしている家族の方が「親が虐待されないか・・・」と心配されるのも仕方ありません。
ただ、虐待が行なわれるような施設はほんの一部です。ほとんどの介護スタッフは入居者が安心して生活できるように毎日頑張っています。
その上で老人ホームに預けた親が虐待被害に遭わなくて済むためのポイントを2つお話しします。
まず1つ目のポイントは、「適切な方法で老人ホームを選ぶ」ということです。一見すると当たり前のように感じる内容ですが、この当たり前のことが実際にはできないことがあるのです。
なぜなら、老人ホーム選びでは限られた時間の中で施設を探さなければならないケースが多いからです。
たとえば、1ヶ月後の退院日までに施設を選ばなければならない。認知症の症状が急に悪化した父親を自宅で1人にしておけない。このように多くの場合は老人ホームを探す時間に余裕はありません。
こうしたことから、落ち着いているときであれば選ばないような施設に親を預けてしまうことが実際に起こってしまうのです。
したがって、そうならないためにも当サイトの老人ホームの選び方などをご覧いただきながら施設を選ぶようにしましょう。
そして、もう1つのポイントは「親を預けた後も家族がこまめに面会に行くこと」です。
親を施設に預けることで家族の介護負担は大きく軽減されます。ただし、先ほどお話しした適切な方法で老人ホームを選ぶことより、親を施設に預けた後の家族の関わりの方が重要だと私は考えています。
家族にも仕事や家庭があるため、面会の時間を確保することは簡単ではありませんが、短い時間でかまいませんので、可能なかぎり入居者に会いに行くことをお勧めしています。
なぜなら、定期的に親と面会することで親の身体や施設の小さな変化に気づくことができるからです。
たとえば、不自然な傷やアザが増えたり、他者との身体的接触を異常に怖がったりするようになった。その他にも、「見学したときと比べて介護スタッフに笑顔が無くなった」「介護スタッフの入れ替わりが激しい」といったことにいち早く気づくことができます。
なお、虐待問題については虐待を行った介護スタッフに目が行きがちですが、それと同時にそのスタッフが働いている環境にも目を向けなければなりません。
施設内で働くスタッフの表情は暗く、スタッフと入居者の人間関係もギスギスしている。このような環境では介護スタッフは仕事にやりがいを持つことができませんし、その延長線上に老人ホームの虐待問題があるのではないでしょうか。
実際、虐待被害に遭われるのは、その被害をまわりに訴えることができない人ばかりです。
ですので、そのような被害を最小限にとどめるためには、家族の関わりが重要であることがわかります。
また私自身、虐待被害に遭わない老人ホームを選ぶことはできると思っていますが、第三者から「それは絶対に間違えありませんか?」と問われた場合、「絶対です」と答えることはできません。
実際に私ができるのは、虐待問題が起こる可能性が高そうな施設とそうでない施設を見分けることです。そして、長年働いた北九州市においては、その判断も的確になってきました。
もし、あなたが選んだ老人ホームで虐待があったとしても、その被害にいち早く気づき、適切な対応を心がけましょう。そのような気持ちを持つことで、入居者の虐待は未然に防げるのではないかと思います。
契約前に体験入居はさせた方がよいのでしょうか?
体験入居をした方が良いケースとそうでないケースがあります。
まずは2つのケースに分けて体験入居の必要性についてご説明します。1つ目は体験入居をした方がよいケースからお話しします。
実際にどのような状況の方が体験入居をされた方がよいのか? それは、親(入居者)が「老人ホームに入居することに納得している」というケースです。
このようなときは、親が気に入る施設が見つかるまで体験入居を繰り返すことで、本人は納得感を得ることができます。そのため、入居後の生活はより充実したものになるでしょう。
ただし、気になる施設が見つかったので「体験入居がしたい」と考えても、その施設に空室がなければ体験入居はできません。
また、空室が出にくい施設は体験入居を積極的に案内しない傾向があります。なぜなら、そうした案内をしなくてもすぐに空室は埋まってしまうからです。
そのため、体験入居ができる施設は限られているということを理解しながら検討するようにしましょう。
次に2つ目は体験入居をしない方がよいケースです。
このケースに当てはまるのは親が老人ホームに入居することを拒否している。もしくは老人ホームに入居することを親がきちんと理解できないときです。
なぜ、このような状況にもかかわらず、介護をする家族は老人ホームを探しているのでしょうか? その多くは「親が認知症を患っている」というケースです。
具体的には、在宅介護に限界を感じている家族の状況を親が理解できないのです。
本当は家族も親をきちんと説得して老人ホームに預けたいと考えています。しかし、認知症の進行によって記憶力や理解力が著しく低下した親は適切な判断ができなくなるのです。
そのため、親の説得が上手くいっていない状況でも家族は老人ホームを探さなければならないのです。
実際、体験入居では検討している施設で「安心して生活できるのか?」という点を確認します。
しかし、体験入居の期間は長くても1週間程度となります。このような期間では、老人ホームの入居に納得していない親が他の入居者や介護スタッフと良好な人間関係を築くことはできません。
また、親自身も施設での生活リズムに少しずつ慣れ始めたころに体験入居が終わってしまう可能性は高いです。
特に認知症を患っている方にとって生活環境の変化は戸惑いの連続です。また体験入居をした後に自宅に戻るということは、そのこと自体も生活環境の変化になります。したがって、各施設を比較するために体験入居を繰り返すということは親の混乱を招くだけなのです。
それでは、家族が選んだ施設で「親は穏やかに過ごせるのか?」という不安はどのように解消すればよいのでしょうか。
私は施設見学だけでも充分判断できると考えています。実際に施設見学で家族と同行したときも、「この施設なら親を安心して預けることができると感じたところを選びましょう」と家族に伝えています。
なぜなら、親が安心して過ごせる環境のことを最も把握しているのは家族だからです。
そのため、入居する親のことをよく理解している家族が実際に施設を見学することが大切なのです。
また、体験入居をしなくても施設を見学することで、施設の雰囲気や他の入居者の過ごし方を確認することができます。そして、介護スタッフの人柄などについても見学対応や他の入居者と関わっている様子から感じ取れるはずです。
あとは同じ種類の老人ホームをいくつか見学して各施設の雰囲気などを比較することで親に合った施設を選ぶことができます。
なお、その際に施設の担当者(施設長や相談員)に伝えなければならないのは、「親が老人ホームの入居に対してどう思っているか」ということです。なぜなら、親の心身の状況によっては体験入居だけでなく、施設の担当者から「入居時期をもう少し先に延ばした方がよいのではないか」とアドバイスされることもあるからです。
また、そのアドバイスの内容自体も老人ホーム選びの判断材料になります。
こうしたアドバイスについては、老人ホームの種類や各施設の考え方で異なりますが、以上のことを踏まえて体験入居を検討するようにしましょう。
空室の仮押さえは可能でしょうか?
基本的に空室の仮押さえをすることはできません。
老人ホームの入居相談の中には、申し込んでいた施設に空室が出て、いつでも入居することができるようになった後に「親が老人ホームに入ることに納得していないので部屋を仮押さえしてもらえますか?」という内容の相談を受けることがあります。
実際に数日程度であれば返事を待ってくれる施設もたくさんあります。しかし、それ以上の期間になると、たとえ家賃を払ったとしても空室を仮押さえすることはできないのが現状です。
もし、これが一般的なアパートやマンションであれば、家賃や共益費を払うことで何の問題もなく部屋を押さえることができるでしょう。
というより、たとえ誰も住んでいない状態でも、ずっと借り続けることができるのではないでしょうか。
しかし、老人ホームの場合は家賃収入だけで運営しているわけではないため、入居者が長期間いないことが原因で運営に支障が出てくるのです。その理由として、老人ホームでは「入居者の生活支援や身体的な介助をするために多くの介護スタッフを雇用している」ということが挙げられます。
介護保険制度の施行により、入居者は1~3割の自己負担で介護サービスを利用することができますが、老人ホームは残り7~9割の費用を保険者(市区町村・広域連合)に請求して支払いを受けることで事業運営を行っています。
つまり、家賃収入の他に介護サービスの収入を得ることで介護スタッフの人件費がまかなえているのです。
その他にも、老人ホームでは入居定員に応じた調理スタッフ、そして調理を行う上で必要な設備やスペースを確保しています。
そのため、入居者がいないことで介護サービスや食事が提供できなくなるのです。しかし、それを理由に介護スタッフや調理スタッフを休ませるわけにはいきません。また、入居者の食事をまとめて作ることで費用を抑えている施設にとっては、入居者の減少は大きな痛手となるのです。
このようなことから、老人ホームの仮押さえは思った以上に難しいことがおわかりいただけたのではないでしょうか。
したがって、老人ホームの申し込みは「将来の不安を解消するためにとりあえず申し込んでおこう」と考えるのではなく、「空室があればいつでも入居する」という意思が固まった時期に申し込むようにしましょう。
親が老人ホームの入居を嫌がっていますが、どのように説得すればよいのでしょうか?
基本的に老人ホームに入居したい人はいないということを念頭に置きながら粘り強く説得しましょう。
日本は2007年に超高齢社会に突入したことにより、老人ホームの入居者は年々増え続けています。その中で私もこれまでに様々な介護相談を受けてきましたが、その相談者の多くは親を介護している子供さんでした。
その中で、入居対象となる親は子供の支援を受けたり、在宅の介護サービスを利用したりしながら、住み慣れた自宅で生活したいと考えている人は少なくありません。したがって、入居する親よりも介護をしている家族の方が先に老人ホームのことを検討するケースがほとんどです。
この検討する時期が親子で一致していれば、施設見学などもスムーズに進めていけるのですが、現実的にこのようなケースはそれほど多くありません。
ですので、親を強制的に施設に預けなければならないケースを除けば、じっくり時間をかけて本人を説得するしかないのです。
ただし、親を老人ホームに預けたいと家族が考えたときは、精神的にも肉体的にも限界を感じているケースが多いです。したがって、こうしたときは「家族の介護負担をどうやって減らしていけるのか」ということを検討してみてください。
そこで重要なのは「利用している介護サービスの見直し」と「介護を頑張りすぎない」の2つです。
具体的にはデイサービスやショートステイの利用回数を増やして、家族が息抜きできる時間を確保する。あとは生命に関わる内容でないのであれば、細かいことは気にしない。つまり親の介護で完璧を求めすぎない。
そうすることで、家族の気持ちに少しずつ余裕が生まれてきます。
あとは、時間の経過とともに親の体力は低下して、「自宅で暮らし続けたい」という思いも少しずつ失われていきます。その中で親を説得できる時期が必ず訪れますので、焦らずにその時期を待つようにしましょう。
入居を検討している老人ホームにはどのような情報を伝える必要があるのでしょうか?
入居者の心身の状態や日常生活で介助が必要なことを伝えるようにしましょう。
施設を見学するときに、「どのような情報を施設側に伝えておけばよいのか?」「施設側からどのようなことを質問されるのか?」という疑問を持たれる方は多いのではないでしょうか。
もちろん、見学の段階では入居者の情報をすべて伝えなければならないわけではありません。
ただし、入居者の心身の状況などを施設の見学担当者(施設長や相談員)に伝えることで家族は具体的な説明を受けることができますので、可能なかぎり伝えるようにしましょう。
なぜなら、老人ホームのサービス内容や入居対象者は施設ごとで異なるからです。実際、希望の条件に合った老人ホームを見つけることができたとしても、入居対象者の要件を満たしていなかったために入居の手続きを進めることができない場合もあります。
たとえば、同じ有料老人ホームでも入居対象者が65歳以上で自立(介護が必要ない)の方も入居できる施設もあれば、要介護1以上の認定を受けていなければ入居することができない施設もあります。
その他、認知症を患った方でも主な症状がもの忘れだけの人もいれば、施設から抜け出そうとしたり、突然大声を出したりする人もいます。
こうした症状の違いで入居できる老人ホームは大きく異なるため、日常生活で家族が支援していることや困っていることなどを担当者に伝えることで施設選びの失敗を未然に防ぐことができるでしょう。
老人ホームにはいろいろな種類がありますが、それぞれの特徴を教えて下さい。
当相談窓口で案内することがある老人ホームの特徴を以下にまとめました。
①経費老人ホーム(ケアハウスを含む)
軽費老人ホームの主なサービスは食事の提供と安否確認になります。また要介護認定を受けられている方は一般住宅と同じように介護サービスを利用することができますので、訪問介護(ホームヘルパーの派遣)やデイサービスを利用しながら生活されている人もいます。
なお、軽費老人ホームには介護サービスを利用する必要のない方々もたくさん入居されています。中には、自身で車を運転して外出される方もいます。
実際に入居者の中心は、60歳以上で自立(要介護認定をおりていない)の方から要支援1、2の認定を受けられている方になりますので、各種老人ホームの中でも、比較的にお元気な方が多い施設だと言えます。
ただし、認知症の進行によって自分の部屋がわからずに他人の部屋に入ってしまう。また、身体機能の低下で食堂まで一人で歩いていけなくなるといった状態になった場合、施設側から他施設への転居を勧められこともありますのでご注意ください。
その他、軽費老人ホームでは入居者の年収に応じて利用料金が決まるため、収入の低い方は他の老人ホームに比べて費用を抑えることができるのも特徴の1つです。
②サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)
サ高住は、高齢者が安心して生活できる住まいづくりを推進するために創設された制度(高齢者住まい法)の基で運営している施設です。
主なサービスとしてはケアの専門家による安否確認や生活相談サービス。その他にも、定期的な巡回や食事の提供、また併設している訪問介護やデイサービスを利用しながら生活することができます。
なお、居室の床面積は原則25㎡以上(居間、食堂、台所そのほかの住宅の部分が高齢者が共同して利用するため十分な面積を有する場合は18㎡ 以上)と定められているため、他の老人ホームの居室と比べて面積が広い施設が多いです。
また居室にはトイレだけではなく、キッチンや浴室を備えている施設もありますので、ワンルームマンションと比べても遜色がないサ高住もあります。
入居対象者としては65歳以上の自立の方からとしている施設もありますが、実際には要支援から要介護2程度の方としている施設の割合が多いです。
ただし、介護スタッフの人員は下記の介護付有料老人ホームやグループホームなどに比べると少ないのが現状です。
具体的には、9:00~18:00(施設によっては8:30~18:30)の昼間の時間帯は介護の専門家が1名は必ず常駐しています。しかし、夜間は職員が配置されておらず、緊急時には提携している警備会社のスタッフが駆けつけるという仕組みをとっている施設もあります。
そのため、常に介護が必要な状態になったり認知症などで他者に迷惑をかけるような状態になったりした場合には退去を求められることもあることを考慮しておきましょう。ただし、入浴介助や家事援助が必要な程度であれば外部の介護サービスやサ高住に併設している介護サービスを利用することで住み続けることも可能です。
③住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームでは、主に食事や生活上の相談、安否確認のサービスを受けることができる老人ホームです。
居室の広さは13㎡以上と厚生労働省が定める「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」で決められています。個室にトイレや洗面台だけではなく、キッチンやお風呂も兼ね備えている施設もあったり、相部屋があったりトイレや洗面は共同であったりと施設によって異なります。
入居対象者は施設の設備や運営者の経営方針によって異なりますが、おおむね65歳以上の自立~要介護度の軽い方です。介護が必要な入居者はデイサービスやホームヘルパーなどの介護サービスを利用することになります。
そのため、施設自体に配置される職員は他の老人ホームに比べて少なく、昼間の時間帯は受付に1名、夜間は介護職員(もしくは宿直)が1~2名配置されている程度です。このようなことからもわかるように、認知症や身体的な介護で常に人の手助けが必要な状態になった場合には、住宅型有料老人ホームでの生活が難しくなり退去を求められることもあります。
最近は、認知症を患ったり介護状態が重くなったりしても住み続けることができる施設も増えてきました。住宅型有料老人ホームにデイサービスやヘルパーステーションを併設して入居者の心身の状態に合った対応を行っているのですが、北九州市内でも、このような仕組みにすることで看取り対応まで行っている施設もあります。
④地域密着型認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
グループホームは認知症介護を専門とした老人ホームです。そのため、入居対象者は、認知症を患う65歳以上の要介護認定で「要支援2」から「要介護5」と認定された方です。入居するには医師による「認知症の診断書」が必要になります。
さらに、介護保険サービスの中でも地域密着型というサービスに分類されており、グループホームがある市町村に住民票を持つ方のみが利用できる施設です。その点でいうと、政令指定都市である北九州市は、どの区のグループホームでも入居することができるため、他の地域よりも選択肢が多いと言えます。
グループホームは「共同生活介護」という名のとおり、認知症を患った方が介護職員の支援を受けながら一緒に生活をするというコンセプトのもとつくられたサービスです。そのため、建物もアットホームな雰囲気のものが多いです。
また、入居者の人数も1ユニット6人~9人というように少人数になっています。介護職員の配置は入居者3人に対して1名です。施設によっては看取りをおこなって最期のときまで過ごすことができます。
ただし、グループホームには看護師の配置義務がありません。そのために、医療的な支援が必要になった場合には対応が難しいこともあります。
⑤介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)
特定施設入居者生活介護の1つでもある介護付有料老人ホームは、施設によって入居基準が異なります。
たとえば、要介護認定で要支援以上の判定が出ている人でなければ入居できない「介護専用型」もあれば、自立している人から介護状態の人まで受け入れる「混合型」もあります。
そのため、それぞれの施設が特色をもって運営していることが特徴です。
具体的には、パワーリハビリや娯楽施設を設けるなど自立の方へのサービスを充実させていたり、介護度の重い方や認知症、医療的なケアが必要な方のために看護師や介護職員の配置を手厚くしていたりなどです。
ただ、サービスが充実しているだけに費用や入居一時金が他の老人ホームに比べてかかったりすることもあります。
⑥介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
特養は2015年の介護保険法改正後から入所基準が厳しくなり、要介護3以上の人が対象となりました。(ただし、特例で要介護1・2の方が入所できるケースもあります。)
そのため、入所を希望する場合には、まず親の介護度が要介護3以上であるかどうかを確認することが必要です。
特別養護老人ホームの特徴の1つは、入所者世帯の収入に応じて家賃と食費の一部が免除されるということです。そのため、他の老人ホームに比べて費用を抑えることができます。
ただし、特別養護老人ホームの中には、介護保険制度が始まる前からある施設も多く建物自体が古くなっている施設もあるため必ず施設見学をすることがおすすめです。また、居室も個室ではなく多床室になっている施設もあります。このような点から、「他人と一緒の部屋は嫌」というような方は個室のある施設を選ぶ必要があります。
そして、特別養護老人ホームには看護師が配置されていることも特徴の1つです。たとえば、入所者が30人以下の場合は1名以上、入所者が31~50人の場合は2名以上、入所者が51~130人の場合は3名以上というように看護師の配置が決められています。
ちなみに、入所者3人に対して1名以上の看護職員又は介護職員が配置されています。
ただ、看護師が配置されているからといって必ずしも看取りまでしてもらえるわけではありません。施設によっては運営方針が異なりますので、入所前に確認をされることをおすすめしています。それにともなって、退去しなければいけない状態像も施設によって異なります。
⑦地域密着型介護老人福祉施設(地域密着型特別養護老人ホーム)
地域密着型特別養護老人ホームは、2006年の介護保険法改正によって新しく設置された地域密着型サービスの1つです。「地域密着型特養」と呼ばれることもあります。
入所基準などは特養とほとんど変わりありませんが、通常の特養と異なる点が2つあります。
1つは、入所定員が29名以下に設定された小規模な施設であることです。もう1つは、地域密着型サービスの特徴でもある「施設がある市区町村に住民票がある方だけが利用することができる」という点です。
そのため、特別養護老人ホームでも「通常の特別養護老人ホームなのか?」「地域密着型の特養なのか?」ということも確認する必要があります。
看護職員や介護職員の配置人数はや提供されるサービスの内容は、通常の特別養護老人ホームと同じですが、小規模であるため家庭的な雰囲気を感じやすいです。また、10名以下を1ユニットとするユニット型の仕組みをとっていることもあり、馴染みの職員ができる仕組みになっています。
⑧介護老人保健施設(老健)
介護老人保健施設(老健)は、日常生活上のお世話だけでなく、医療的な管理のもとで機能訓練を受けながら療養することができます。主に、病院から自宅への生活に戻るためのリハビリを目的とした老人ホームです。
そのため、利用できる対象者も65歳以上で介護が必要な方になります。
また、入所期間もその方の状態によっては3ヶ月程度と、短期間に定められることもあります。これは、老健があくまでもリハビリを目的とした入所だからです。
ただし、施設によっては自宅での介護が難しい方を対象に長期の入所を受け入れているケースもあります。
老健には、医師や薬剤師も配置されており、薬やオムツなどにかかる費用も利用料にふくまれています。看護職員の配置も他の老人ホームに比べて多いのが特徴です。
しかし、医師や看護師がいるからといって老健での看取りが必ずしもおこなわれているわけではありません。老健の母体は医療法人であることが多いこともあり、医療機関への搬送連携がおこないやすく老健での看取りに対しては消極的な施設も少なくありません。
また、建物の構造も病院に似ていて個室よりも多床室が多くなっています。
⑨介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は、長期にわたって療養を必要とする要介護者に対してサービスを提供する老人ホームです。そのため、比較的要介護度の重い方で介護よりも看護や医療的なケアが必要な人を主な対象としています。
具体的には、痰の吸引やインスリン注射、胃ろうなどの経管栄養が必要な要介護1以上の方です。
このように、介護療養型医療施設は「老人ホーム」というより「病院」というイメージに近く、「療養病床」と呼ばれることもあります。
ただ、介護療養型医療施設は国の医療と介護をきちんと区別するべきという方針のもと、2023年には廃止される予定です。その代わりに、医療的な管理が必要な方を対象として以下の「介護医療院」という新たな施設が受け皿となります。
⑩介護医療院
介護医療院は2018年に新設された施設です。
介護療養型医療施設の廃止に伴って、長期的な医療・介護のニーズを併せ持つ要介護者に対して「日常的な医学管理」「看取りやターミナルケア」等の医療機能と、「生活施設」としての機能とを兼ね備えた介護保険施設としてつくられました。
しかし、介護療養型医療施設からの移行がまだまだ進んでおらず、北九州市内でも介護医療院は5施設しかないのが現状です。(平成31年4月現在)
入居した後も親を外出させることはできますか?
もちろん、外出することはできます!!
老人ホームに入居したからといって、外に出ることができなくなるわけではありません。親の身体の状態にもよりますが、家族が一緒であれば外出だけでなく、外泊することもできます。
ただし、外出や外泊の計画を立てている段階でお世話になっている施設にも声をかけておくことが大切です。
なぜなら、施設が提供する食事の手配に支障をきたすからです。そのため、家族との外食で昼食や夕食をキャンセルする場合は、外出の予定が決まったときに施設に伝えるようにしましょう。
その他にも、家族が迎えに来る時間や施設に帰る時間の目安を伝えることで施設の職員もスムーズな対応ができます。実際、夜間になると施設の玄関は施錠されていますし、職員の人数が少ないため、スムーズな対応ができない場合もあるからです。
なお、親が自立している方であれば特に問題ありませんが、要介護者の場合は施設に帰った後に更衣やトイレ介助が必要になることもありますので、可能なかぎり早めに伝えるようにしましょう。
施設の面会時間は決まっているのでしょうか?
「常識の範囲内であればいつでも大丈夫です」と回答する施設は多いです。
基本的に各施設で面会時間は決まっていますが、仕事の都合などで施設が定めている時間に面会に行けない方もいます。
ただ、こうしたことは珍しいケースではありません。親を預けている施設に事情を説明すれば、時間外の面会にも対応していただけますのでご安心ください。
とは言え、面会時間外となる早朝や夜間については介護スタッフの人数が限られていますし、防犯対策として施設の出入口は施錠されています。また、夜遅い時間になると居室でお休みになっている入居者もいますので、こうしたことを考慮しながら面会するようにしましょう。
施設に家族は泊まることができますか?
個室であれば家族も泊まることができる施設は多いです。
県外で生活されている家族が面会に来たり、施設で看取りケアを行ったりするときに「施設に泊まりたい」と希望される人は少なくありません。ただ、老人ホームはホテルとは異なりますので、家族用の部屋を余分に確保している施設は少ないのが現状です。
したがって、多くの場合は入居者の個室に宿泊することになりますが、施設の中には寝具を借りることができたり、家族分の食事を提供してくれたりするところもあります。
ただし、食事の提供については、事前に相談しておかないと施設も対応できませんので、宿泊を希望されるときは早めに連絡を入れるようにしましょう。
本人の好きな食べ物を持ち込むことはできますか?
基本的に食べ物の持ち込みは自由にできますが、「居室で食べ物を保管する」ということについては入居者の心身の状況によって施設の対応もそれぞれ異なります。
老人ホームでは毎日の食事のメニューなどは決まっているため、親を預けている家族が「本人の好きな果物やアイスクリームをたまには食べさせてあげたい」と考える人も少なくありません。
このようなとき、かかりつけ医から食事面で特別な指示が出ていない場合は、持ち込む食べ物についてはそれほど気にする必要はありません。
その一方で、あなたの親が高血圧や糖尿病を患っているため、塩分やカロリーを控えなければならないというような状態あれば、食べ物を持ち込むときは施設の担当者(施設長や看護師)に事前に了承を得たあとに本人に手渡すようにしましょう。
ただし、親の居室に冷蔵庫などを置いて食べ物を保管することについては、入居者の心身の状況によって各施設の対応は異なります。
そのポイントとなるのが、入居者が「賞味期限の管理をきちんとできるのか」ということです。たとえば、入居者が認知症を患っており、腐りかけのものでも平気で食べてしまう。実際にこのような可能性があるのであれば、居室で食べ物を保管することはできません。
ただし、入居者の居室では保管できないけれど、施設の事務所に設置している冷蔵庫などで食べ物を保管してくださる場合もありますので、まずは施設の担当者に確認してみましょう。
あとは、居室で保管している食べ物を「食事制限のある方や食べ物をのどに詰まらせてしまう恐れのある方に提供してしまう」という他の入居者とのトラブルに発展する可能性があることを家族は知っておかなければなりません。
こうしたトラブルは絶対に避けなければなりませんので、入居している親の性格を踏まえながら「居室で食べ物を保管しても問題ないか」について判断するようにしましょう。
オムツは持ち込んでも大丈夫でしょうか?
自宅で使われていたものは施設に持ち込んでいただいても大丈夫です。
自宅で使っていたオムツやパッドの残りは、施設入居される際に持ち込んでいただいても問題ありません。中には外出や外泊時のために自宅で保管している方もいますので、家庭の事情に合わせて判断するようにしましょう。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設のように、オムツ代が介護サービス費に含まれていますが、有料老人ホームやグループホームは「家族が購入して持ち込む」または「施設で購入した物を使い、実費を後から支払う」という仕組みになっています。
そのため、もし自宅にオムツなどがたくさん残っているのであれば、施設に持ち込んで使ってもらいましょう。
なお、入居者が使用するオムツやパッドについては、家族がドラッグストアやなどで購入したものを施設に持ち込むことで費用を抑えることができます。ただし、その場合は家族が中心になって在庫を管理しなければなりませんので、お仕事の事情などでそうした管理が難しい方については施設にお願いするようにしましょう。
老人ホームに入居すると主治医は変えなければいけないのでしょうか?
絶対に変えなければならないわけではありません。入居者の心身の状況に合わせて主治医を選ぶことができます。
有料老人ホームやグループホームに入居すると、訪問診療の利用を勧められることもありますが、必ずしも現在お世話になっている主治医を変える必要はありません。
ただし、主治医を変えずに老人ホームに入居した場合は「定期受診(主に内科、精神科)は家族が対応しなければならない場合もある」「急な体調不良に対応してもらえない」といったデメリットもありますので、その点を踏まえて検討するようにしましょう。
実際、訪問診療を利用することで医師の方から施設を訪問してくれるようになりますので、家族は入居前に受診していたクリニックなどに連れて行く必要がなくなります。また訪問診療は24時間365日の体制で運営していますので、夜間や土日でも主治医が対応してくださるのが訪問診療の特長です。
そして、施設の看護師や介護スタッフは常日頃から訪問診療の医師と連携を取っていますので、緊急時や終末期の対応でも家族は安心してお願いできるのではないでしょうか。
ただし、ご高齢の方の中には「何十年も前からお世話になっている馴染みの先生に診てもらいたい」と言われている人もいます。このようなときは、施設での生活に慣れた後に本人の意向を確認しながら主治医を変えられる方もいます。
あとは、定期受診の付き添いにかかる家族の負担などを考慮しながら検討してみてください。
ペットと一緒に老人ホームに入居することはできますか?
2019年6月時点では北九州市内の老人ホームでペットと一緒に入居できる施設はありません。
自宅でペットと一緒に暮らしている高齢者は少なくありません。特に一人暮らしの高齢者にとっては家族と同じように大切な存在になっているのではないでしょうか。
そのため、「私が老人ホームに入るときはこの子(ペット)も一緒につれていきたい」と希望される人も多いです。
しかし、実際には全国的に見てもペットと一緒に入居できる施設はほとんどありません。その理由として「入居者がペットの世話を最期までできるかわからない」ということが挙げられます。
たとえば、入居者が体調を崩して入院してしまった。その他にも、ペットより先に飼い主である入居者が人生の最期を迎えることもあるのです。
そうなってしまうと、残されたペットのお世話をするのは老人ホームのスタッフになってしまいます。こうしたことから、ペットと一緒に暮らせる老人ホームがなかなか増えていかないのです。
そのため、現実的には「ペットの世話を子供や親戚にお願いする」「老犬(猫)ホームなどに預ける」といった選択を迫られる場合もあります。
骨折や体調不良で入院した時の費用はどうなるのでしょうか?
基本的に介護サービス費と食費以外の費用は支払い続けなければなりません。
施設ごとで入院中に発生する費用は異なりますが、介護サービス費(1割~3割の自己負担金)と食費については利用した分の請求になるため、入院している期間の費用はかかりません。
ただし、「食材費」はかからないけれど「厨房管理費(毎日の食事を作るための人件費や厨房を維持するための費用)」の支払いが必要となる施設もありますのでご注意ください。
その他、家賃や管理費などについては居室を確保しておくために必要な費用となりますので、入院が長引く場合や病気の後遺症などで退院後は施設に帰ることができない可能性がある場合は、施設から退去することも視野に入れて検討するようにしましょう。
要介護認定がおりていない状況で老人ホームに入居することはできますか?
入居者の心身の状況によっては、要介護認定がおりる前から入居できる施設もありますのでご安心ください。
一般的に老人ホームの入居を検討するのは、在宅生活が続けられない状況になった方です。なぜなら、「足腰が丈夫で頭もしっかりしている」というような人は住み慣れた自宅を離れる必要がないからです。
実際には脳梗塞の後遺症で身体にマヒが残ったり、予期せぬ事故に遭って一人で歩けなくなったりして、老人ホームを探すことになるのです。
ただ、ある日突然介護が必要な状態になる方の多くは要介護認定を受けていません。
あきらかに介護が必要な状態になった場合は、入院中に介護申請を行うことになりますが、中にはその申請手続きが遅れてしまったため、要介護認定がおりる前に施設を探さなければならない人もいます。
選択する老人ホームの種類によっては要介護3以上の認定を受けた人しか入居できない施設もありますので、実際には施設選びで困惑する人は多いです。また同じ種類の老人ホームでも、各施設で入居対象者は異なるため、判定された要介護認定によって選択肢から外さなければならないこともあります。
では、こうしたときは要介護認定がおりるまで施設を選ぶことができないのかというと、決してそのようなことはありません。
現状をきちんと説明することで施設の担当者(施設長や相談員)も介護が必要になった方の心身の状態などを考慮しながら検討してくださいます。
とは言え、まずはどの施設に相談するかについて迷われる人も多いかと思います。そのときは当相談窓口にご連絡いただければ適切な施設をご紹介しますので、お気軽にご相談ください。
まずは相談だけでもよいのでしょうか?
もちろん相談だけでもかまいません。実際にお困りの内容をお聞きしないと当相談窓口で対応できるかどうかの判断ができませんので、まずはお気軽にご連絡ください。
お電話での対応については無料となっていますので、当相談窓口があなた(相談者)のお役に立てるかどうかを判断していただくためにお電話いただければ幸いです。
実際、あなた(相談者)が悩み続けたことも当相談窓口のアドバイスで解決の糸口が見つかるかもしれません。当相談スタッフもそのようなアドバイスが行えるよう日々励んでおりますので、まずはお気軽にご連絡ください。
相談料金はどれくらいかかるのでしょうか?。
どのような相談でもお電話での対応については無料となっていますので、お気軽にご連絡ください。
当相談窓口では、主に入居者の希望に合った老人ホームの紹介サービスを行っていますが、相談内容に応じては無料で対応できるのが電話のみとなる場合があります。
具体的には介護老人保健施設や特別養護老人ホームなど、公的な老人ホームのご紹介についてはボランティア活動になるため、電話のみの対応とさせていただいておりますので、あらかじめご了承いただければ幸いです。
なお、これら施設の紹介も「在宅介護に限界を感じている方に少しでもお役に立てれば」という思いで対応していますので、お困りの方は遠慮なくご相談ください。
日曜日や祝日、また仕事が終わったあとの時間帯に対応してもらえませんか?
相談者の中には現役で仕事をされている方もたくさんいますので、営業時間外でもお気軽にご連絡ください。
当相談窓口をご利用の方の多くは、親を介護する子供さんです。実際、親に訪問介護(ホームヘルパーの派遣)やデイサービスを利用してもらいながら仕事と介護を両立している人も少なくありません。
そのため、相談者の中には平日の日中は電話で話をすることができない人もいます。
なお、当相談窓口の営業時間は月~土曜の9:00~18:00までとなっていますが、この時間帯に電話ができない方については、営業時間外でも対応させていただきますので、ご安心ください。
ただし、事務所を不在にするときや営業時間外については介護相談専用フリーダイヤル(0120‐93‐2593)を私(山川)の携帯電話に転送しております。また電話を転送しているときは、老人ホームの見学対応中などで電話に出られない場合もございます。
そのときは着信履歴に残っている連絡先に私の方から連絡を入れさせていただきますので、あらかじめご了承くださいますようお願い申し上げます。
会って相談をすることはできますか?
当相談窓口では基本的に相談料金をいただいておりませんので、老人ホームの見学に同行するとき以外は電話で対応させていただいております。
当相談窓口では、相談者の費用負担を無くしながらも最大限のアドバイスができるよう徹底したコスト管理を行っております。
そのため、基本的に老人ホームの見学に同行するとき以外は電話での対応となりますので、あらかじめご了承いただければ幸いです。
ただし、老人ホームを紹介する前に私が「相談者(もしくは入居者)と一度会っておいた方がよい」と判断した場合は、実際に会ってお話を伺うこともありますので、まずはお気軽にご連絡ください。
老人ホームを紹介してもらうためには本人(入居者)と直接話をした方がよいでしょうか?
本人が老人ホームの入居に納得している場合、もしくは入居するかどうかを迷っている場合は直接お話を伺えればと思います。
老人ホームを探す人の多くは、入居者(介護が必要な方)ではなく、入居者を支える家族になります。なぜ入居する本人ではなく、家族が老人ホームを探すのかというと、それは在宅介護に限界を感じているからです。
しかし、家族から生活を支えてもらっている本人は、可能なかぎり住み慣れた自宅で生活したいと考えています。そのため、多くの高齢者は老人ホームの入居を拒みます。
実際、老人ホームの入居を拒まれている方に対して、当相談スタッフが説得を試みてもすぐに納得してくれる人はほとんどいません。
したがって、基本的に本人と直接お話しをさせていただくのは、老人ホームの入居に納得している場合になります。なお、そのときは、本人の希望をしっかり伺いますので、希望に合った老人ホームをご紹介できるはずです。
その他、本人が老人ホームの入居を迷っている場合でも、当相談スタッフが直接アドバイスをさせていただきますので、お悩みの方はお気軽にご連絡ください。
親を老人ホームに預けるのは介護放棄なのでしょうか?
親を老人ホームに預けても家族にできることはたくさんあります。施設で働いているスタッフの皆さんと共に親の介護にも関わるようにしましょう。
どんなに元気な高齢者でも加齢とともに身体機能や記憶力は必ず低下していきます。それに伴って家族の支援が必要になってきますし、状況によっては在宅の介護サービスを利用することになります。
その中で家族も夫婦共働きで親の介護に専念できない。また認知症の進行で介護サービスだけでは補いきれない。
こうして、親を老人ホームに預けることを検討するのですが、その決断に至れない人は少なくありません。やはり、社会的にも「親の介護は子供がするべき」と思われているからではないでしょうか。
実際、親を老人ホームに預けることで家族の介護負担は大きく減ります。家族が日々行うべき介護のほとんど全てを施設のスタッフが行ってくれるため、家族の生活は一変します。
その変化に家族は戸惑い、「本当に親を老人ホームに預けてよかったのか」と思い悩んでしまうのです。
ただ、老人ホームに預けたからといって、親の介護に家族がまったく関われなくなるわけではありませんのでご安心ください。たとえば、仕事帰りや週末に親に会いに行ったり、1泊2日の温泉旅行に連れて行ったりすることもできるのです。
また、家族の介護負担が軽減されることで、肉体的にも精神的にも余裕が生まれてきますので、気持ちにゆとりを持って親と関わることができます。
こうしたことから、親を老人ホームに預けること自体は介護放棄ではないということをご理解いただけたのではないでしょうか。ただし、施設に預けっぱなしで家族は一度も顔を出さないのであれば、まわりから介護放棄と呼ばれても仕方がありません。
実際、老人ホームで生活している親と「どれだけ関われるのか」については、それぞれのご家庭によって異なりますが、私自身は「親の暮らしを豊かにしたい」という気持ちを持ちながら親の生活に関わり続けることが大切だと思います。
老人ホーム探しについてケアマネジャーが親身に対応してくれません。
ケアマネジャーがどれだけ支援してくれるかについては、その担当者の考え方や持っている知識と経験によってそれぞれ異なります。「親身に対応してくれない」とあなたが感じたのであれば、他の専門家に相談する。もしくは、気持ちを切り替えてご自身で探されることをお勧めします。
北九州市では、居宅介護支援(ケアプランセンター)や通所介護(デイサービス)等の介護サービス利用標準契約書を作成しています。そして、ケアマネジャーが所属する居宅介護支援の契約書の第6条には、次の内容が記載されています。
(施設入所への支援)
第6条 支援事業者は、利用者がその居宅において日常生活を営むことが困難と認める場合、又は利用者が介護保険施設への入院又は入所を希望した場合、利用者に介護保険施設の紹介その他の支援をします。
しかし、この“支援”という言葉の捉え方は人それぞれです。
たとえば、小倉北区にある老人ホームの一覧表を利用者の家族に渡すことは1つの支援と呼ぶことができます。さらに、もう少し踏み込んで各施設の空き状況を調べることも家族にとって有難い支援の1つです。
しかし、北九州市の標準契約書では、この支援内容が具体的に書かれていません。これはどういうことかというと、老人ホーム探しをどれだけ支援するかについては、「ケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所の判断に委ねます」ということを意味しています。
したがって、実際に老人ホームの見学に同行してくれるケアマネジャーもいれば、施設の一覧表を提供してくれただけでそれ以上の対応をしてくれないケアマネジャーも存在するのです。
実際、家族が「親身に対応してくれない」と感じた人に無理やり対応してもらっても、老人ホーム探しに役立つ情報は引き出せないのではないでしょうか?
そのため、こうしたときは他の専門家に相談する。もしくは、気持ちを切り替えてご自身で探されることをお勧めします。
老人ホームに入居した後の実家の荷物の処分についてのアドバイスをお願いします。
親(入居者)の希望を慎重に確認しながらタイミングを見計らって処分するようにしましょう。
一般的に老人ホームの居室の広さは10~20㎡程度の施設が多いため、入居者が持ちこめる荷物の量は限られています。そのため、自宅で使っていた家具や保管していた衣類などの大半を処分することになります。
とは言え、住み慣れた自宅を離れて寂しい思いをしている親に対して「施設に持ち込めない荷物はすべて処分しておくね」とは気軽に言えないものです。
実際、施設に入居する前の住まいが持ち家だった場合は、荷物を一旦保管しておくことができますので、家族はそれほど悩むことはありません。
その一方で家族が判断に迷ってしまうのは、入居前の住まいが賃貸住宅だった場合です。
このときは、荷物を保管するためだけにその賃貸住宅を借り続けることは、経済的に大きな負担となりますので、家族は「施設に持っていかない荷物は処分する」と考えてしまうのではないでしょうか。
しかし、一度処分したものは、二度と返ってこないものばかりです。そのため、荷物を処分する際は、入居者の希望を慎重に確認することが大切です。
ただし、入居者が自らの意思で荷物を処分しているときは、家族は何も心配する必要はありません。
ここで家族が慎重に対応しなければならないのは、荷物の処分について入居者が家族に意見を求めているときです。このときは、「住まいの賃貸借契約を解約した」という理由だけで荷物の処分を勧めないようにしましょう。
なぜなら、最終的に入居者の判断で荷物を処分したとしても、「あなた(家族や不用品回収業者)が余計なことを言うから必要なものまで捨ててしまった」という感情を持たれる場合があるからです。
実際、老人ホームに入居しなければならない状態の高齢者は判断力も低下しているため、入居後に必要なものとそうでないものをきちんと分別することはできません。したがって、処分するかどうかを本人が迷われている荷物については、家族の自宅で一旦保管しておく。もしくは、有料サービスにはなりますが、レンタル倉庫などで荷物を保管するようにしましょう。
なお、荷物の保管期間については、長くても1年あれば十分です。その期間内に入居者から保管している荷物の話が出なければ、その荷物は処分しても問題ありません。
もちろん、実際に処分する場合は入居者にも声をかけなければなりませんが、そのときは本人も気持ちよく首を縦に振ってくれるのではないでしょうか。